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女と男(1) 惹かれあう二人  2008年01月03日

第一回 惹かれあう二人 すれ違う二人

なぜ人は人を好きになるのか?なぜ恋は3年で醒めてしまうのか?なぜ多くの夫婦は4年で離婚してしまうのか?その謎を解く鍵は脳の中にある。

こころのメカニズムが少しずつ分かってきた。恋する男と女の脳では同じ場所が活発に働く一方で、愛し合っているのに違う場所が活発に働いていることも分かってきた。こうしたことが女と男のすれ違いを生んでいる。

恋をすると活発になる脳の場所

恋する相手を見たとき、女も男も脳の同じ場所の働きが活発になる。そこは腹側被蓋野と呼ばれる場所で、ドーパミンという神経伝達物質が作られている。人がうれしいと感じたり快感を得るとき大量のドーパミンが放出される。学習効果が働き、また相手を見ておなじ快感を感じたくなる。

恋をすると相手に夢中になり絶えずその人のことを考えるようになる。これこそドーパミンの仕業なのである。集中力が高まり、気力に満ち溢れ、疲れを感じなくなる。電話の前でずっと待ち続けたりするのもそのためなのだ。

恋をしているとき、逆に活動が抑えられている場所も見つかった。篇桃体や頭頂側頭結合部である。それは物事を否定的に捉えたり、批判や判断を行う場所である。恋をすると相手を批判的に見ることができなくなってしまう。恋は盲目のゆえんである。

快感によって相手に夢中にさせるドーパミンの仕業、そして相手に対する否定的な気持ちを押さえ込む仕組み・・・恋はこの二つの働きが連携する脳内のメカニズムによって成り立っている。

ではなぜ恋の脳内メカニズムが備わっているのか?男と女では活発に働く場所が違うことも分かってきた。

女と男(2) 7:10の法則  2008年01月03日

恋のメカニズムはなぜ生まれた?

男女は、子育てのために最適な相手を探す。男性は健康な赤ちゃんを生める女性を選ぶ。女性は約束を果たしてくれる正しい男性を選ぶ。

なぜ恋の脳内メカニズムが備わっているのか?男と女では活発に働く場所が違うことが分かってきた。

男の場合は、島皮質の一部が活発に働く。ここは視覚に関係している。男性は、その女性が健康な赤ちゃんを産んでくれるかどうか、それを何百万年もの間、自分の目で見極めなければならなかった。だから視覚を活発に働かすようになったと考えられている。

腰のくびれだと考えられている。研究の結果、男性はウェストとヒップの比率が7:10の女性を好むことが分った。太目の女性を好む男性でも比率は7:10を好むという。世界各地の歴史的な美術作品を調べたら、多くの文化で共通して腰のくびれが描かれ、しかもウェストとヒップの比率も7:10が平均だったという。

女性は赤ちゃんを産む準備が整うにつれ腰が細くなり、閉経とともに太くなることが分っている。つまり、出産適齢期に7:10に近づく。男性は一瞬見ただけで女性を評価できるようにプログラムされている。複数の人から相手を絞るためのメカニズムである。その上で相手が自分に興味を示せば、彼女の笑顔が素敵だなどと分析を深めていくことになる。

女性の場合は、帯状回と呼ばれている場所が活発に働く。記憶と深い関係がある。それも子づくりに関係している。相手がいい父親になってくれるか、見た目では判断できない。だから女性には記憶が頼りになる。相手が何を約束し、それを果たしてくれたのか。正しい相手を選ぶことが大事なのです。

恋をする男と女の脳の違いには、ともに子育てのためにふさわしい相手を探しているという事情が隠されている。子育てこそが、生物として人間が恋愛システムを進化させた理由である。


子育てのための恋愛システム

400万年前に二足歩行を始めた人類は、その構造から産道が小さくなりいわば未熟児のまま赤ちゃんを産んで、母親が付きっ切りで育てないといけなくなった。子育てが大変だから、女と男が協力する。そのために恋愛のシステムが進化したのだと考えられている。

しかし、熱烈な恋もしばらくすると冷めてくることも研究を通して分ってきた。恋の中枢が働くなるのです。「恋は18ヶ月から3年しかもたない」という報告がある。未熟で生まれる赤ちゃんも3~4歳になると、両親が付きっ切りで世話をする必要がなくなるからではないかと考えられている。


賞味期限付の恋

男と女の絆は、もともとは赤ちゃんの成長が一段落するまでの期間限定なのではないかという。狩猟採集社会では、出産は4年ごとにおきる。恋はこの間だけは保たれる用に進化したのかもしれない。その後カップルは解消され、また別の恋が始まる。こうして遺伝的に多様な子孫を残したのかもしれない。

女と男(3) なぜすれ違う  2008年01月03日

恋は長続きしない

58カ国の地域のデータでは、離婚は4年がピークだということが分っている。数年経つと醒める恋・・・大昔は良かったかもしれないが、現代社会では大きな障害になっている。夫婦となる目的が子づくりということに限らないし、夫婦として過ごす期間が年々伸びてきているからだ。

夫婦のすれちがい

二組に一組が離婚するアメリカでは、国家予算を使って研究される重要なテーマが「夫婦のすれ違い」がなぜ起こるのかということだ。ワシントン州立大学のジョン・ゴッドマン博士は35年に渡って、夫婦がすれ違う原因を分析してきた心理学者である。3000組の夫婦を分析した結果、すれ違いの最大の理由は、その会話のパターンにあることが分った。

なぜ口ケンカになるのか

日ごろの不満を話し合うだけでケンカに発展する夫婦とそうでない夫婦がいる。そのちがいこそが、夫婦の関係が長続きするかどうかの鍵を握っている。自分の不満や不安を、相手を批判する形で告げると、相手は当然防御に努め、自分の立場を守る。あとはその繰り返しになってしまう。その果てに待っているのは相手を見下す発言である。

これが話し合いであったはずの会話を、不毛な口げんかに変える典型的なパターンである。批判、防御、見下しのパターンが繰り返されると、夫婦はお互いを避けるようになる。これが離婚に至る典型的なパターンだといえる。

口論のときの心拍数をはかると、男の場合上昇して100を越えるが、女の場合は70で落ち着いている。男の場合口論が大きなストレスになる。母乳を与え子育てをする女性は、ホルモンの働きによって気持ちを落ち着かせる能力が高い。たとえストレスを受け心拍数が上昇した場合でも女性のほうが早く下がることが実験でも確かめられている。

女と男(4) 論理と感情  2008年01月03日

男は批判を攻撃と受け取る 一方、狩りが担当の男はつねに怠ることなく警戒心を働かさなければならなかった。このためにちょっとしたきっかけさえあれば心拍数や血圧を上げ、攻撃態勢に入るよう体が適応していった。


夫婦の会話で、妻が夫を批判すると夫は批判を攻撃と受け止め心拍数も上がる。その果てにどういう行動に移るのか?攻撃を受け、身に迫る危険を感じる。それが限界に達して会話を打ち切る。

じつは会話を一方的に打ち切る85%は男性である。理性的な対応ができなくなると衝突を避けるために、本能的に会話を打ち切る。

男性は女性に比べて心拍数は早く上がり、落ち着くのにも時間がかかる。警戒心を維持するために進化した男の特徴を現代でも引きずっている。進化で獲得したこうした違いがすれ違いの原因となっていることが多い。

男女関係を阻む二つの要因

ひとつは男性が女性の気持ちを読み違い、ついつい余計なことをしてしまうことにある。男性は女性に比べて、感情や気持ちを読み取れない。恐れなのか、喜びなのか、一見判断しにくい表情を読み取る実験では、女性のほうが早く、しかも正確に当てることができる。

もうひとつは会話の能力のちがいである。長い進化の歴史の中で、女子たちは部族のほかの女性と行動をともにし、会話を絶やすことはなかった。仲間の絆を深めるための会話では、相手の感情を知ったり自分の感情を伝えることが大切である。

一方、男同士の会話は、刻々と変わる状況にどう対応するのか、問題解決型のものだった。男と女の会話に対する、このちがいが男女のすれ違いを生む最大の理由ではないか。

より良いコミュニケーション

男が上手に会話を続けることが鍵になる。女性に受け入れられる最大の秘訣は、質問をすること。ほとんどの人は質問をしない。いつも主張ばかりしている。質問をすれば、相手は関心を持ってもらえていると感じ、心を開く。だから質問は最も重要なのだ。

男性は社会の厳しい競争を生き抜くために自分を磨いてきた。そのため相手の気持ちを受け止め感情に敏感になるのは容易ではない。しかし、よりよい関係を気づくために自分を変えていかねばならない。それは挑戦なのです。

女と男(5) あなたの夢は?  2008年01月03日

もっとも大切な質問

「あなたの夢はなんですか?」

「人生で成し遂げたいことはなんですか?」

我々はいま、生きていく意義や人生の目的といった哲学的なレベルのことを一緒に考え、新しい価値観をともに築き上げていく・・・

そんな時代を迎えている。

子供を育てるためにはじまった女と男の恋愛のメカニズム・・・。
しかし長い進化を経て、男女関係は、子孫を残すためのものから、人生をともに過ごすパートナーへと変化してきた。お互いの違いを知り、それを受け入れる努力をする。それが新しいパートナーシップを築く道なのかもしれません。


男女混成チームが最強

NASAが火星有人飛行に最適なチーム編成をシミュレ-ションした。男性だけだと競争心が働きすぎチームを危険に晒すリスクがあり、女性だけだと必要以上にリスクを避ける傾向があることが分かった。

それに対し、男女混合編成のチームこそ最強のチームとなるとの結果が出た。
女性が得意とするチームをまとめるコミュニケーション力と、男性が得意とする目的を成し遂げる力が組み合わさるためである。

女と男(6) 何が違う?なぜ違う?  2008年01月03日

2.1 命にかかわる違い

心臓の筋肉の中を走る0.3ミリ以下の微小血管の流れが悪くなって心臓発作を起こす。男性の狭心症の場合は、そのほとんどが冠動脈が原因だが、女性の場合は、34%が微小血管に問題があることが分った。

血管を広げる効果のあるエストロゲンが閉経後少なくなるため、微笑血管が原因の狭心症になる可能性が高いと考えられている。


女と男(7) 脳の違い  2008年01月03日

2.2 脳の違い

米NIHで子供の脳の成長の違いを研究した結果、二つの違いが分った。

(1)海馬(とくに右側) ― 小さい頃は男子のほうが大きいが性ホルモンが多くなる思春期、15歳くらいで逆転し女の子のほうが大きくなる。

(2)偏桃体 ― 男子のほうが、15歳くらいで目だって大きく成長する。

成人男女をMRIで調べると、男のほうが大きい場所、女のほうが大きい場所が10箇所以上あることが分った。

脳に関する病気の違い

脳に関する病気の多くも、意外なほど男女差があることが分ってきている。

 ・鬱病にかかるのは13歳を過ぎると女性のほうが多くなる
 ・55歳以降、アルツハイマー病を発症するのは、女性が男性の2倍
 ・自閉症は、男性のほうが2.5倍

女と男(8) 空間と言葉  2008年01月03日

2.3 空間と言葉

男性は空間認識力に優れ、女性は言葉の記憶力に優れていることが実験から明らかになっている。

「女性は地図が読めない」というのは本当か?
宝探しの実験では、指示の仕方に問題があることが分った。

(1)進むべき方角と距離だけを書いた指示だけのとき
 ・男性は太陽の位置で方角を割り出しほとんど間違えずにゴール
 ・間違えた回数では、男性2.95回に対し、女性は9.86回

(2)曲がるべき目印を具体的な言葉で記した指示の場合
 ・女性が間違える回数は2.85回に対し、男性は4.02回

この男女の違いは文明以前の遠い昔の進化と関係している。
地図には女性に有利な情報が書かれていないから、地図を読むのが不利になっているということだ。

女と男(9) 使う脳の場所  2008年01月03日

2.4 使う脳の場所

同じ知能テストで同じ成績をとった男女では、使っている脳の場所は全く違っていた。脳が情報を処理するプロセスに男女で違いがあるということだ。同じ結果に達するときでも、女と男ではその経路が違う。

実験に使われた知能テストでは数多くの能力を使った総合力を必要とする。男性は得意とする空間認識力をたくさん使うが、女性は使っていない。問題を解くとき、女性が使っている場所には「ブローカ野」というところが含まれていた。ブローカ野は言葉を話すときに使う場所である。

つまり、男女はそれぞれが得意とする脳を使って同じ知性を獲得していると考えられる。この脳の違いは、狩猟採集生活で男女が役割を分担して食糧を確保する中で培われ、数百年後の現代の我々に受け継がれている。


教育で違いを生かす

アメリカで「落ちこぼれを作らないための初等中等教育法(2002年)」が制定された。学力向上のために、同性による学校やクラスを設置することが認められた。男女別に授業のやり方を変えている。

男子の場合、長時間同じ姿勢でいることが苦手なので教室では自由な姿勢、場所のほうが学習に集中できる。また上下関係の規律をもって誰がボスなのかを意識させるような教え方をする。あえて命令口調で競わせ、やる気を高める。

女子の場合は、上下関係をはっきりさせることを好まない。とくに大切にしているのはペアを組んで作業をさせること。自然と助け合うことのできる女の子に向いているという。男子がいると競争心が強いために、すぐけんかになってしまう。

男女が一緒ではうまくいかない学習法も導入できる。それが男女別クラスのメリットである。男女別授業を取り入れる公立学校が全米で急速に増え、現在500校あまりになっている。女の子と男の子の違いに注目し、それぞれの得意なやり方で学ばせる。そうした新しい模索が広がり始めている。

女と男(10) 違いを生かす  2008年01月03日

2.5 違いを生かす

男女の違いに注目する。そんな動きが企業の間にも広まりつつある。経営コンサルのデロイト社では、男女の違いを意識したアプローチ方法の研修を行い、現場でも実際に活用している。

顧客が男性の場合は、地位の高い上司が参加し、解決策をずばり提案する。しかし女性が顧客のときは、全く違うアプローチが求められる。女性は結論に至るプロセスを大切にするため、できるだけの多くの担当者が一緒に訪問し、いくつかの解決のポイントを説明する。

この男女の違いをお互いに知ることで、より働きやすい職場になり、業績も上がったという。違った目線を取り入れることで組織の強さを増すことができる。

次回は、男を作る染色体が消えようとしている、精子の質も劣化の一途をたどっている・・・男が消える?人類滅亡か?

女と男(11)  2008年01月03日

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女と男 ~最新科学が読み解く性~  2008年01月04日

恋のメカニズム(1)なぜ人は人を好きになるのか?なぜ恋は3年で醒めてしまうのか? なぜ多くの夫婦は4年で離婚してしまうのか?その謎を解く鍵は脳 の中にある。 7:1(2)恋する心はなぜ生まれた? 男女は、子育てのために最適な相手を探す。男性は健康な赤ちゃんを生める女性を、女性は約束を果たしてくれる男性を選ぶ。
すれ違い(3)夫婦の二組に一組が離婚するアメリカ。夫婦のすれ違いは国家予算 を使って研究される重要なテーマ。すれ違いの最大の理由は、会話 のパターンにあることが突き止められた。 論理と感情(4)男性は空気を読めない。女性は喜怒哀楽の表情を読み取る能力が発 達している。女性は人間関係に積極的になるが男性はそうではない 。それが男女のすれ違いを生む。
あなたの夢は(5)あなたの夢は ?人生で成し遂げたいことはなんですか?「我々は今、生きていく 意味や人生の目的といった哲学的なことを考え、新しい価値観を築 き上げる」…そんな時代を迎えている。 第二回 なにが違う(6)女と男の命に関わる違い、脳の成長に関する違いなどが分かってきた。また空間の認識と言葉の認識についても女と男では違いがあることが明らかになってきた。

女と男 第一回  2008年01月05日

昭和30年代の日本  2008年01月06日

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