イビサ島

3000年前、地中海を駆け抜けた海の民。かれらは現代の生活に欠かせないものを残した。イビサ島は、謎多き海の民、フェニキア人が3000年前に切り開いた島。スペイン本土から東へ80km、豊かな海に囲まれた島。
 
レバノンに住んでいたフェニキア人は貿易で生計をたてるため紀元前10世紀、地中海に進出。西へ西へと移動し紀元前9世紀頃、木と水が豊富だったイビサ島を定住の地として選んだ。
 
島南部にサカレタ遺跡がある。海に出たフェニキア人がどのように生計を立てていたのかを知ることができる。スペイン本土から金属の原石を運び、ここで加工した金属を地中海の国々に輸出し巨万の富を得ていた。交易をすすめるため金貨や銅貨を鋳造した。描かれているのはフェニキア人が信仰した音楽と踊りの神、ベス。この貨幣は広く地中海で流通し、いつしかベスの島、イビサと呼ばれるようになった。
 
フェニキア人最大の発明といわれるものもこの島で見つかった。アルファベットが刻まれた石である。だれでも簡単に書ける文字を発明することで取引を格段に円滑にした。
 
フェニキア人が交易を広げる中で広く世界に浸透していったアルファベット。文字と共に広まった言葉がある。地中海の西に沈む夕日を Ereb、東から昇る朝日を Asuと呼んだ。これはヨーロッパとアジアの語源となった。