「新潮文庫の100冊」フェアが始まったのは、昭和51年(1976)の夏からだった。 昭和40年代までは書店店頭での文庫フェア自体がまだ一般的でなかったが、昭和50年代に入って文庫の読者層が厚くなってくると文庫にも広告の時代がやってきた。
新潮文庫では、昭和51年3月の「松本清張の世界」フェアが先駆けとなり、清張ミステリーの文庫が幅広く読者を獲得していった時代だった。
このフェアの成功を受けて同じ年の夏から始まったのが100冊フェアだ。翌年にはヘミングウェイの顔写真に「本はいつでも読めると思うのはまちがいだ」というコピーがあしらわれ規模も拡大したが、本格的な広告キャンペーンが始まったのは翌53年のことだった。
「知性って、すぐ眠りたがるから、若いうちよ。」
女優・桃井かおりがイメージキャラクターに起用され、テレビCMをはじめ新聞・雑誌で大宣伝が展開された。懐かしい時代のひとコマである。
